・柘 (つげ)
ツゲ科の木材で、ハンコ以外だと櫛・そろばんの玉・将棋の駒などに用いられる密度の高い木材です。
程よい堅さと加工のしやすさに優れています。
木材ゆえに長時間朱肉が付いた状態が続くと朱肉の油が染みてしまいます。
朱の油を吸った柘は、膨張して変形したり耐久性が落ちるので、使用後は速やかに綺麗に拭き取る事をお勧めします。
牛の角の材料
大きく分けると二種類あります。
・黒水牛 (くろすいぎゅう)
主に東南アジアに生息する水牛の角を加工して作られます。
濡れたような漆黒の光沢をもっています。
・牛角 (うしのつの)
オーストラリアなどに生息する陸牛の角を加工して作られます。
色が白っぽい物や飴色のような物、差し色が入ったりと様々あります。
自然のまま色なので、ひとつひとつ模様が異なり同じ色の物はありません。
ほとんど他の色が入っていない、無地に近いような色は希少価値が高い物になります。
以前は【オランダ水牛】と呼ばれていました。
ハンコに限らず、舶来物の輸入品は【オランダ〇×※】と呼ばれていた頃の名残りだったようです。
紛らわしいので現在は牛角と呼ばれるようになりました。
牛の角の材料に共通して言える事ですが、捺印性、耐久性ともに優れた印材であるといえます。
一見、不良品?と思ってしまいそうな、中心付近にへこみのある、
【芯持ち材】と呼ばれる中心部分から採れる物が密度が高く反りにも強い良質な物になります。
芯の通っていない【割り材】も流通していますが、特にひび割れ・反りが起こりやすいので、芯の通った物が良いでしょう。
注意点としましては、動物性のタンパク質で出来ているため虫による食害(虫食い)があります。
服の虫食いと同じように、ウールなどの動物性タンパク質を好んで食べる虫が食べてしまうのです。
乾燥にも注意が必要な為、それらを防ぐ為に使用する時以外はケースに入れしっかり閉じて保管しましょう。
・象牙 (ぞうげ)
アフリカに生息する象の牙を加工して作られます。
耐久性・耐摩耗性が高く、手触りの滑らかさや捺印の鮮明さに優れます。
印材として最も優れていると言って良いでしょう。
「ワシントン条約により象牙は販売禁止なのでは?」とゆう疑問を持っている方もおられると思います。
確かに1989年に輸出入が禁止になりましたが、日本国内では公的な管理のもと販売が行われており
現在、国内で流通している物は輸入禁止以前のストック、もしくは一時的に解禁された際の合法的な物となります。
象牙の取引業務を行なう事業者は、経済産業省に特別国際種事業者の届け出をして事業者登録を行い、
取引について取引記録(記載台帳)への記載(※)と5年間の保存を義務付けています。
(※)いつ・どこから・どのような象牙を仕入れたのか、そして、いつ・どんな象牙を販売したかを記載します。
当社では事業者登録しておりますので、お客様がご購入されて国内で使用される事に関しましては全く問題ありませんが、
ご購入後でも、国外への持ち出しや送る事は禁止となりますので十分にご注意ください。
(お土産用に海外へ・・・海外へ住む友人にプレゼントに贈る・・・なども禁止です)
特別国際種事業者
(象牙製品等を取り扱う事業者)
登録番号 第03457号
ぞう科の牙及びその加工品